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□だから貴方を抱きしめる
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最近…不安になる時があります。

…それは貴方が不意にぼーっとしている姿を見た時。

ウィルとの戦いの時、貴方には『世界の意志』が聞こえたと言っていた。

ウィルとの戦いが終わり、その後『世界の意志』は聞こえなくなったと貴方は言っていた…。

でも、たまに貴方は何処を見ている訳でもなくぼーっと虚ろな顔をする時がある。
…怖い。
貴方が何処かに行ってしまいそうで…怖い。

「…カズヤさん〜」

不意にわたくしが呼ぶと、貴方はハッと気が付いてわたくしを見る。

「…あっ、カルーア…どうしたの?」

そして、いつもと変わらない優しい笑顔をわたくしに見せてくれる。

とっても素敵な笑顔のはずなのに…何故不安になるのでしょうか…?

まるで貴方が何処かにー…。

「大丈夫…カルーア?」

「あっ…」

貴方が心配そうにわたくしの顔を覗き込んでくる。

貴方の瞳を見る。
わたくしを見つめてくれている。
それが嬉しい…。

わたくしは思わず貴方を抱きしめた。

「カ…ルーア?」

「…何処にも行かないでください…ずっと…わたくしの傍に…居てください」

わたくしの声は震えていた。

「……うん。何処にも行かないよ、カルーアの傍に居るよ…これからも」

貴方はそう言ってくれた。

「…カズヤ…さ…ん」

この胸にある不安が少しでも消えてくれる様に。
わたくしは抱きしめる手に力を込める。

「…大好きですわ〜カズヤさん〜」

わたくしが言うと、貴方はわたくしを抱きしめ返してくれた。
貴方の体温をずっと感じていたくて、わたくしはそのまま目を閉じた。




END
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