GA

□青と赤
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「リリィさん、部屋に居るみたいだな」

特に何か用事がある訳ではないが、恋人であるリリィと話がしたくなりカズヤはリリィの自室に向かった。
部屋の前に着き、カズヤはリリィの部屋のチャイムを鳴らす。

「リリィさん、僕です…カズヤです」

すると、ドア越しからリリィの声が聞こえた。

「ムッ?カズヤか…どうかしたのか?」

「いえ、今暇ですか?話でもしたいと思いまして」

「今か…」

「…?忙しかったですか?」

「いや、うむぅ…」

「リリィさん?」

リリィの考え込んでいる返答にカズヤは不思議そうな顔をした。

「今ドアを開けるから待ってくれ」

「はい」

そして、直ぐにドアが開いた。

「すまないなカズヤ、開けるのに遅れてしまって」

「いえ、でも良いんですか?忙しいのなら僕…後で来ますよ。用事がある訳じゃないんで」

「うむ…取り敢えず部屋に入ってくれ」

「はい…」

カズヤはリリィの部屋に入る。


「実は少々困っていてな」

「えっ、どうしたんですか?」

「この部屋の中にあるはずなのだが…コンタクトを落としてしまってな、今探していたのだ」

「えっ?」

リリィを見ると、自分の髪で隠している左目…髪の間から少し赤い瞳が見えた、その瞳は右目の青い瞳とは対照的だ。

「ああ、ホントですね?コンタクト…カラーコンタクトですよね?」

リリィはうむ、っと呟く。

「今は代えも無い状態なのでな…」

「それは大変ですね、僕も探しますよ!」

「む…良いのか?」

リリィが意外そうな顔をしてカズヤを見る。

「ええ、リリィさんが困っているなら力になりたいですから!」

カズヤは優しく笑う。

「あ…ああ、すまないな」

リリィは少し顔を赤くし、カズヤにお礼を言った。
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