GA

□青と赤
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「でも、何で落としちゃったんですか?」

床を見つめながらカズヤはリリィに尋ねる。

「ああ…実はさっきまで映画を観ていてな、それでつい興奮をしてしまってな…映画が終わって気がついたら無くなっていたのだ」

「映画って…リリィさんが好きなあれですか?」

映画…それは実在したセルダールの女騎士の映画だ、リリィはのめり込むと叫んだり、軽く周りを巻き込む暴れ方をするのだ。

「ああ、そうだ」

「映画なら視聴覚室で観れば良かったんじゃ?」

カズヤが不思議そうな顔をする。

「…それが、姫に視聴覚室を出入り禁止にされてしまってな…一緒に観ていると煩いと言われてしまった」

「そっ…そうなんですか…」

カズヤは苦笑する。
ナツメは今、視聴覚室に居る。
ナツメは暇さえあれば視聴覚室で映画を観ている事が多い…だからだろう。

「むむぅ…確かこの椅子に座って観ていたはずなのだが」

椅子の周りをじっと探しているリリィ。

「あっリリィさん、ありましたよ!」

その時…テーブルの近くを探していたカズヤが声をあげる。

「オオッ!本当か?」

「これですよね?」

カズヤはリリィの目の前に立ちリリィにカラーコンタクトを見せる。

「ああ、ありがとうカズヤ」

リリィは安堵した顔をする。
リリィはカラーコンタクトを受け取ろうとするが、カズヤがリリィの顔を見つめているのに気付き、カズヤを見る。

「…どうした?」

「いえ、コンタクトを取った姿をちゃんと見たことなかったんで新鮮だなと思いまして」

「ああ…」
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