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□大神受け
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(いつもどおりの02とロスト中の03と自分の気持ちに自覚のない04と自分の格好に自覚のない06)







着流しを纏って無防備にその裾から覗かせる足に一瞬目がいってしまった自分が嫌でしょうがない。普段がっちり学生服で上から下まで固めて露出が少ないやつがぺらぺらの布一枚になるとか、平家の変態がさっきからくすくす笑っているわけが理解できる自分が嫌でしょうがない。ロストし猫になったその足に身体をこすりつける遊騎がうらやましいとか思ってしまった自分が嫌でしょうがない。もう、自分が嫌でしょうがない。
「夏も終わったってのに、なんで浴衣着てんだヨ大神・・・」
目のやり場にこまるとか考える自分が本当にとても嫌だ。八つ当たりというか正当な抗議というかで本人に直接問い詰めれば奴は何も面白くもなさそうな顔で鳴らし、「手を滑らした師匠に頭から鍋ぶっかけられたら見兼ねた王子がこれなら入るだろうと貸してくれた」と遊騎の体毛を撫でながら大神が答えた。さもあらん。渋谷と王子が相手であるなら大神も逆らえはしない。
王子の名前が出て些か不機嫌になった平家がふうんと呟いて、大神の身体を頭からなめ回すように眺めた。なんですか、と大神が彼に問うと「いや、中々いい眺めだと思いまして」とうそぶく平家。平家に遊騎が猫の姿でもわかるくらい嫌な顔をしている。つくづく仲の悪い集団である、コードブレーカーというのは。
「ここ最近続く煩わしい雨に初めて感謝しました。シャツのかえはもうないのですね。よくお似合いですよ」
「どうも」
「そんな布一枚で寒くありませんか? 抱きしめて温めてさしあげましょうか」
「結構です」
六番には俺がおんねんと遊騎が大神の身体を駆け上がり、肩に乗って尻尾を首に絡める。なっ、あったかいやろと同意を求める遊騎だけは邪険にしない大神に、てめえその差別はなんなのだと普段から刻は言いたくて仕方がない。
「けっ」
それ以上大神を見たくなくて顔をそむけ、肆號室に引っ込むことにする。なんなのだろうこの胸のムカつき。一度だけちらりと大神を振り返ったら目が合った。
なんだお前は。

そういわれたようでもう一度ふんと鼻を鳴らし、乱暴にドアを鳴らし閉めた。せいぜい俺のことでも考えやがれ、馬鹿野郎!
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