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□風邪っぴき
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‐獏良‐
「具合はどう?シュークリーム買ってきたから気分が良くなったら後で食べて」
「わぁーありがとう了くん。少し寝ておけば大丈夫だと思う」
「そっか、ゆっくり休むといいよ。
たかが風邪だと思って油断してると危ないからさー」
「うん。…昨日お風呂あがりに外に出たのが良くなかったのかなぁ。
たまたまバクラくんに会ったんだけど、つい長く話しちゃって…」
「ええ?そうなんだ…
…そうだ、これ」
獏良は鞄の中からワラ束のような物を取り出した。
「それ何?」
「これはね、悪いものを退治するんだ。きっと風邪もすぐに治るよ」
「へぇー、風邪をやっつけるおまじないなんだね!」
獏良は笑顔で釘を刺していく。
「本当は木に打ち付けるんだけどね…。
早く悪いもの出ていけー」
「出ていけー」
このワラ人形と思われる物、『千年リングに宿るバクラ』と書かれた紙が貼ってあったのだが、今はもうボロボロで読めない。
fin.