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□風邪っぴき
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訪問看病‐海馬‐
「うー…だるい…」
「熱で苦しむ娘を一人置いていくとはな。両親も仕事熱心なことだ」
「朝はまだ少し良かったんだぁ…」
「ふん、まあいい」
そう短く言い、粉薬を水に溶き始める。
「そ、それくらいはできるから大丈夫だよっ」
「いいからそのまま寝ていろ。オレが今口移しで飲ませてやる」
海馬は粉薬を溶いた水を口に含み、顔を近づけて迫る。
「あっ、だ…だめぇ…!」
とっさに海馬の両頬に手をあて、コップの中にピューっと噴かせた。
「………」
「海馬くんに風邪が移ったら困るもんね」
fin.