紅い部屋
□煙草
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あなたが吸う煙草。
あたしが吸わない煙草。
煙草の香り、煙は嫌いだけど、あなたのなら平気なんて現金ね。
服に、髪の毛に染み込んだタバコの匂いはあなたといた証。
簡単な、あたしはあなたのモノという証。
あなたとの口付けはいつも苦い。
それは勿論、煙草の味。
だからあたしは常に、甘い飴を口にしている。
口付けを交わす度、甘くて美味しいと、あなたはあたしの口内を味わう。
あなたの綺麗な指先で扱う煙草。
あなたの薄い口唇でくわえる煙草。
そんな姿に色気を感じる。
火を点ける瞬間、
あたしに煙をかからないように吸う仕草、
くわえたまま、時々煙たそうに眉をひそめる。
そんな姿全てに色気を感じる。
あたしは、ヘビースモーカー。