紅い部屋
□少女の心
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そうやって愛想振り撒いて、あなたの裏に何人の女の人がいるの?
愛の言葉並べ立て、その気にさせておきながら肝心の言葉は言わないのね。
一夜限りの愛情でも幸せだった。
その時の愛情だけは本物と信じたい。
「バカだね?」
あなたの指がなぞる肌は熱を帯び甘い空間へと誘う。
こんなにも密な夜なのに虚しさが残るのは欲張りのせい?
本物は嘘だとわかってる、騙されてあげてるのよ。
上手く大人になったつもりだったけど強がっていただけ。
恋より愛を欲っしていたけど手に入れたのは、博愛という薄っぺらい愛情だった。
あたしが望んでいるもの、あなたは望んでいないのね。