蒼い部屋
□チョコ
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いつもあなたは僕の上に乗りに来る。
頭を撫でてやると、ご機嫌で甘く声を出しながら、軽く爪を立てる。
ふっと息を吹きかけても、また甘く声を出し、僕に寄りかかる。
離れていても、こっちにおいでと言えば、天の邪鬼に遠回りしながらもやって来る。
思わず呟く。来ても何もないのに…馬鹿だな。
そんなあなたが愛おしい。
ひとりの時は寂しそうに、部屋中をうろついては諦め、ひとりで寝てる。
でも知ってる、僕が居ない時は他の男の上にあなたはいる。
どかされようとすれば、やはり爪を立てるのだ。
本当は誰の上がいいの?
ねぇ、あなたは幸せなの?
眠っていても、声をかければ、名前を呼べば、僕に目を向ける。
そしてしっかりと、僕の足を掴むのだ。
手を差し伸べれば、愛おしそうに顔をスリ寄せ甘えてくる。
あなたを僕だけのものにしたいと思うのは、あなたに失礼かな。
甘い甘い、チョコレート。
苦い苦い、チョコレート。