お題NARUTO
□●大好きな君のもとへ
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2、心臓が今にも爆発しそうなくらいKside
木の葉にきてから1週間。
初日の宣言から、男の子からイジメられてはいたが自分はなかなか強い。返り討ちにしていた。
我ながらさすがだってばね!
男子のイジメを受けながらも、友達もできた。その子はエリート一族である、うちは一族の女の子・ミコトだった。
とても可愛くて、優しくて…
転校してきたとき、隣の席になったことから仲良くなった。
頭もよく、成績優秀。木の葉のことをあまり知らない私にいろいろ教えてくれた。
それから…
斜め前の席の波風ミナト。
転校初日に話しかけてくることはなかったが、たまたまアカデミーが早く終わり木の葉の里内を一人で探険していたときに、声をかけられた。
「うずまきクシナさん。」
振り向くと、そこには彼がいた。
微笑みを浮かべる彼の第一印象は男女みたいで頼りなさそうだった。
しかし、彼はモテるらしい。クラスの女子の会話が聞こえてきた時に、彼の話題だった。彼女達が、楽しそうに話していたのを思い出した。
勉強も忍術も成績優秀。性格は温厚で、皆からはよく頼られているらしい。(ちなみにこれはミコト情報。)
容姿は見ての通り、王子様のようだ。
目の前の波風ミナトはニコニコしながら、こちらを見ていた。
そんな様子の彼をじっと見つめる。確かにカッコいい。
こりゃ女子も騒ぐわけだ。
しかし、男子に対してあまり良い印象がなかった私は彼に対しても優しくしようとは思わなかった。
「何だってばね。」
「今は買い物中?」
「町を探険中だってばね。まだ、よく分からないし…」
「ん!それなら、俺が案内してあげるよ!」
彼は楽しそうにそう言った。
その表情に私の警戒心も少し緩くなり、彼は違うのだと感じた。
「でも、何か用事とかあったんじゃないの?」
そう言うと彼は目を丸くしてから、苦笑いを浮かべていた。
「そんなことないよ。ちょうど暇だったしね。」
彼は、暇潰しのつもりらしい。それなら、悪い気はしない。
「そうなんだ。なら、お願いしようかな。」
「任せて。」
彼は更にぱぁっと明るい笑顔になった。
とても素直で、優しい。良い奴だと感じた。
「それじゃ、行こうか。うずまきさん。」
「クシナでいいってばね。」
「え?」
「呼び捨てでいいよ。私も呼び捨てにするしさ。」
「分かった。」
「それじゃ、よろしく。」
こうして、私はミナトに木の葉の里を案内してもらった。
二人で、会話しながら感じた…
私は、ミナトへの評価を改めなければいけないらしい。
ミナトは自分の意見をしっかりもっていて、軸がしっかりとしていた。
頼りないなんて最初の印象は私の中で書き換えられつつあった。
そして見た目で人を判断してはいけないのだと、しみじみ思う。
その日は結局、お店で晩御飯まで一緒に食べて。ミナトが家まで送ってくれた。
「今日は…その、ありがとだってばね!」
詰まりながらだったけど、普段あまり素直ではない私もしっかりお礼が言えた。
「ん!一緒に回れて楽しかったよ。」
私もミナトに里を案内してもらって楽しかった。
ミナトは他里から来た私を邪嫌に扱ったりはしなかった。
「それじゃ、お休み。」
そう言って、私は家の玄関へと向かった。
「お休み。クシナ。」
ふと、後ろを振り返る。その瞬間胸が高鳴った。
なぜミナトそんな表情をしているのだろう。
愛おしそうな…そんなわけない。見間違い?…勘違いに決まっている。
それとも私に誰かを重ねてたとか?きっとその子は髪が長い子なのだろう。
自分でそう結論づけた。
私はそのまま前を向き家の中に入って行った。
ドクドク…
胸の鼓動を感じながら、少しの間はミナトの顔が頭から離れなかった。
しかし、記憶というものは不思議で塗りかえられていく。
元々私は切り替えの早い方でもあるのもあったのかもしれない。
次の日の朝には勘違いだったという観念が前日の思考を塗り替えていき、いつのも心の静けさへと戻って行った。
「おはよう。」
アカデミーで私はいつも通りのあいさつをした。
その日から、アカデミーでも私はミナトとよく話すようになっていた。
心臓が今にも爆発しそうなくらい、
(その感情に気付くにはまだ幼かった)
2012/4/20
終わり
どちかというと、心臓が今にも爆発しそうなのはミナトの方です(笑)
クシナは切り替えが早そうだな〜って思ったため、塗りかえられてしまいました。
ドンマイ、ミナト。