お題NARUTO

□5周年企画
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もしもミナクシが生きていたら。












〜手をつないで〜







本日快晴。







クシナは大きく伸びをして台所に立っていた。
朝食の味噌汁の味見をする。



「今日もおいしくできたってばね。」
出来立ての味噌汁の味に満足していると後ろから足音がした。
「おはよう。クシナ。」
「あら、ミナト。おはよう。」
寝むそうな夫へ挨拶を返した。
「ナルトは?」
「まだ寝てるわよ。」
「そっか。今日は任務じゃなかったっけ?」
「あ!そうだった。また、遅刻しちゃうじゃない!」
クシナはミナトにそう言われ、火を止めると急いでナルトの寝る部屋へと向かった。













「ナルト!!!朝だってばね!」
「ん〜。」
「起きなさい!!!」
クシナは大きな声を出しながらナルトにかかっている布団を引き剥がした。

「ぎゃっ!」
奇声を上げながらナルトは床へと転がり落ちる。

「おはよう。」
二コリと頬笑みながらナルトに挨拶をする。
「ん〜はよ。かあちゃん。」
ナルトは苦痛表情を浮かべながら答えた。
「さっさと降りてきなさい。今日は任務なんでしょ?」
それだけ言うと、クシナはナルトの部屋を出ていった。

「やべっ!」
クシナに言われてナルトは慌てて支度を開始していた。














ナルトが食卓へ向かうと、そこにはすでにミナトが新聞を広げながら朝食を取っていた。
「ミナト。新聞を読みながら食べない!」
「はい。」
母に強くそう言われ、素直に言う事を聞いている父を見ていてなんだか自分を見ているように感じたナルトだった。
自分もどちらかというと女の子の勢いに押されてしまうタイプなのである。
「おはよう。」
そんなことを考えてたら父から挨拶をされた。
「はよ。」
それに答えると席に付いて朝食を食べ始める。



その時、




コンコン!


玄関から音がした。
「はいはーい。」







「おはようございます。」
玄関から聞こえた声にナルトは勢いよく顔を向けた。
「おはよう。サクラちゃん。ナルトを迎えに来てくれたの?」
「はい。今日の集合時間が変更になったんですけど…」
「昨日、ナルトは話も聞かずに帰ってしまったんで。」
「あっ、サスケ君も。」
ナルトは席を立つと玄関に顔を出した。

そこには母の前にサクラとサスケが居た。
「ごめんなさいね。」
「いえいえ。」
困った顔をしながら謝るクシナにサクラは笑顔で返していた。
「ふふ。全く話は最後まで聞きなさいってい言ってるのに!」
クシナは腕を組みながらそう言った。
「まぁ、ナルトの性格ですから。」
「そうね。でも、良いところもあるから。」
笑顔でクシナは2人にそう言った。
最初2人は目を丸くしたが、それは次第に優しいものへと変わっていく。
「はい。知ってます。」
サクラははっきりとそう答え、サスケは目を伏せながらも頷いた。
2人の優しい雰囲気が感じられた。


「良い友達だね。」
突然、後ろから声を掛けられナルトは肩をビク付かせた。
「とうちゃん。」
「さっ、二人も待ってるし。行ってらっしゃい。」
優しい言葉と表情をミナトは受けべながらナルトに食パンを渡す。
「なんにも食べないのはいけないからね。」
「うん!いってくるってばよ!」
ナルトはパンを勢いよく口に入れながら玄関に向かった。





「さ、ナルト。いってらっしゃい!」
クシナはナルトに気付き声をかける。
「いってきます!」
ナルトは元気よくそう言いながら、サスケとサクラの手を取り走りだした。
「サスケもサクラちゃんも行くぜ!」
「わっ。」
「ちょっ。」





「ふふ。」
クシナはその様子に笑みが漏れる。
あの子は良い友達に巡り合えた。







3人の背中が見えなくなり、クシナは家の中へ入って行った。
「ミナトも時間になっちゃうよ。」
「そうだね。」


クシナは再び台所に立っていた。







さて、今日は…

















幸せな日々は巡り巡り続いていく。











終わり
2012/6/8

【5周年企画】
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