お題NARUTO

□5周年企画
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守@




〜君と同じ未来を ずっと一緒に見ていたい/Mside〜










俺は彼女が好きだ。




それは友達に抱く感情ではない。
そう…俺は彼女を愛している。
彼女もきっとそうだと思っていた。
それは過剰な自信なんかではなく、確信だった。

未来のことは分からなかったが、俺は彼女と共に歩みたいと思っていた。
だから自分の気持ちを言葉にして彼女に伝えた。





しかし、伝えてみると彼女の答えはNOだった。





それを聞いた時俺はすぐに「何で?」と聞き返したが、彼女は今は答えられないと言っただけだった。








俺はフラれたのだ。理由を知ることもできずに…







以前より、少しだけ距離ができたように感じたが一緒にいることは変わらなかった。俺達は忍。一緒に任務を行うことだってあった。
それに俺の気持ちも変わらずあったから、切なくなることもあったが彼女と一緒にいられることは嬉しくもあった。
そんな彼女は封印術を得意とする一族であった。一緒にいる時間は主に任務と修行を行っていた。
彼女はたくさんの封印術を丁寧に教えてくれた。
何でこんなに一生懸命になってくれるのか分からなかったが、できたときに彼女が喜んでくれる。笑ってくれる。それが、見ていたくて俺も頑張って覚えた。










そして、俺達が二十歳になり数年後、俺に火影就任の話が回ってきた。
ずっと夢だった火影だ。
ちゃんと勤まるのか不安も大きかったが、里を守りたい気持ちが大きかった。それで、俺はその話を受けることにした。
彼女にも伝えると彼女も喜んでくれた。本当に嬉しそうに。






彼女への気持ちはずっと変わらないままだった。
だから、火影に就任したらもう一度告白しよう。と心の中で誓っていた。














「お前に紹介しなくてはならぬ者がいる。」
三代目様に引き継ぎ業務の内容を説明された後に言われた言葉だった。
「入れ。」
そして、扉を開けて入ってきた人物に俺は目を目開いた。








「クシナ…」



「ミナト…」






そこにはクシナが立っていた。
俺は疑問だらけであった。


なぜ、ここにクシナがいる?
紹介したい人?
どういうことだ?






「四代目就任するにあたって、クシナにはお前の妻になってもらう予定だ。」


俺の疑問をよそに三代目様はそう続けた。





は?
妻?







妻!?





告白しても断られたはずなのに、なぜクシナが妻になるのか。
俺が思考を凝らしている間、クシナはただずっと目を伏せているだけだった。







「そして、クシナは次代の人柱力になる予定だ。」


今日は衝撃の多い日だと冷静に感じている部分もあるが、頭の中はぐちゃぐちゃだ。


「現在の人柱力である、ミト様のご容態が思わしくない。近々、封印の儀を行う。そして、その封印を四代目に就任する予定であるお前に行ってもらう。」



俺がクシナに尾獣を封印?





「そんなこと…」
できるわけない。そう続けようとした。
「ミナト。」
名前を呼ばれクシナを見る。彼女の目を見て。俺は何も言えなかくなった。
覚悟を決めている目だった。
そして彼女の行動を思い出すと、このためだったのだと悟る。もちろん、それが全てだとは思ってはいない(任務中に封印術は役立っているから)。忍として術はたくさん使えるに越したことはないから、結果的に任務成功へとつながる。


「封印術についてはクシナから教わっておったのであろう?話は聞いておる。そうだな。」

「はい。」
クシナはそっと三代目様の問いかけに答えた。

「ミナト。お前の実力も十分備わっていると判断した。よいな。」

「…………はい。」





「儀については再度連絡する。今日のところは帰ると良い。」
三代目様にそう告げられ俺達は退室し、帰路に付いた。






クシナと二人並んで、歩く。
俺達の間に会話はなかった。
二人とも、無言のまま歩いていく。







「ごめん。」
隣から聞こえてきた声はとても小さなものだった。
「クシナ…君は…」
「極秘だったから…。ねぇ、これからミナトの家に行ってもいい?」
彼女が何かを語ることは分かった。俺だって聞きたいことがある。だから、俺は頷いた。










君と同じ未来を ずっと一緒に見ていたい
(君の隣で)








2012/5/15
クシナの九尾封印はミナトが火影就任時に知らされたのでは…という妄想。
それで、ミナトが封印するという設定。

【5周年企画】
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