お題NARUTO

□●大好きな君のもとへ
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7、純粋な恋の行方











「君を初めて見たときから、俺の心の中には君がいた。」

「ミナト?」

突然の俺の言葉にクシナは顔を赤らめていた。




「クシナのことが好きだ。」
心臓はバクバクしていたが、自分の言葉は止められなかった。





「君とずっと一緒にいたい。」












ミナトの言葉に思考が追いつかない。

私は今何て言われた?


ミナトの言葉を1つ1つ反復させ、解釈をしていく。







私…告白された?




体の温度が急上昇していく。


え?ミナトが?

「嘘だ。」

このタイミングでミナトとい人間が嘘をつくなんて思っていながいが、思わず口にでてしまった。
するとミナトは目を見開いたあと、悲しそうな顔をした。

その表情は私の心にズキンと響き渡る。
私は何を言ってるんだってばね。



「嘘じゃないよ。」
ミナトは強くそうはっきり言った。

「ごめん。」
ミナトの表情を見ると悲しくなった。
せっかく助けてもらったのに、ミナトの言葉を疑うようなことを言ってしまった。
なんて可愛くないのだろう。




するとミナトはしっかりした言葉で言った。

「本気なんだ。」



私はミナトから目が離せなくなっていた。
心臓は変わらずドキドキと煩い。










そうか、私もミナトが好きなんだ。


この時、ようやく私は自分の気持ちに気付いた。
ミナトの表情が忘れられないのも…
この胸のドキドキも…
私の心にも彼がいるからだ。





だから、私も伝えなきゃ…




「私も…、…ミナトが好き。」






「私も…私も一緒にいたい。」

それを聞いて、ミナトは再び目を丸めたあと、頬を染めながら嬉しそうな顔をしていた。















クシナも同じ気持ちだと言ってくれた。
嬉しくて、顔が綻ぶ。



俺は彼女を木の上におろした。
「えっ…ミナ…」
突然の行動に驚きを見せていたが、それを無視して俺は彼女を抱きしめた。
変わらずクシナは驚いていたが、そっと手を回して彼女も俺に答えてくれた。





俺は小さく微笑みをこぼしていた。












ミナトが抱きしめてくれる。
彼の体温が愛おしく感じる。
それと同時に恥ずかしさでどうにかなってしまいそうだ。





「ははは。クシナ真っ赤だね。」
抱きしめられていた腕が解かれ、彼と向き合う形となる。
「なっ!ミナトだってそうだってばね!」
自分の赤い顔を自覚しながら、少しむっとなって言い返す。
「ん。そうだね。」
彼は私と違って言い返すこともせず認めてくるもんだから、私は何を言ってよいか分からなくなった。

ミナトは頬を赤らめながらも、普段のような優しい笑顔を私に向けていた。
なんだか、余裕があるみたいで悔しさを感じてしまった。

私だけあたふたするなんて。





私は自分の体の状態を確認する。
先ほどまでフラフラしていた体は拘束から解放され、ミナトに抱かれたまま移動していたため少し休むことができたようだ。
これなら自分の足で歩ける。
私はそれが確認できると、ニコニコしているミナトの顔に両手を添えた。




「ん?クシ…」



ちゅっ





小さな音を立てながら私の唇はミナトの頬から離れた。
添えていた手を離して彼を見ると、彼は目を丸くしたままフリーズしていた。
まぁ、いきなりこんなことをすれば驚くのも無理はない。


「お礼だってばね!」



よし!


私はしてやったりと思うと、急いで立ち上がり、木の上から下りた。
地上に着地するといつものように走ることはできなかったものの、歩くことはできた。少し足を速めに動かしていた。


自分でやっておいて恥ずかしくなるとは…


でも、なんだかすっきりした。


ミナトを放置したまま私はそのまま足を進めていた。











すぐに反応できなかった。


クシナが…



頬にキス。





ぼーっとした思考から我に戻った時、
俺はクシナが下りていった方に目を向けた。
彼女はまだ体が完璧に回復していないようで、走ることはしていなかった。



すぐさま俺も彼女のあとを追った。





彼女からのお礼はとっても嬉しかった。
俺はこの上ない幸せも感じた。


でも、どうせなら…


俺は自分の足を駆使して彼女に近づき、彼女の手をとって振り向かせた。










「わっ。」
いきなり後ろに引っ張られ驚いてしまった。


それと同時に感じる唇の柔らかな感触。

少しの間触れたあと、繋がった唇はゆっくりと離れた。



目の前には彼の顔。
今度は私がフリーズする。

「どうせなら、こっちの方が嬉しいかな。」

彼はそういうと、突っ立ったままの私を再び抱きかかえ歩きだした。












驚いたまま固まる彼女が可愛かった。
俺は彼女の反応とキスに満足すると、彼女を抱えて歩きだす。


もう里に帰らないとね。



「ミ、ナト…」







「里に帰ろうか。皆も心配しているよ。」
「…うん、」



彼女が顔を隠すように横を向く。
そんなところも可愛いなと俺は思いながら、足を進めた。















純粋な恋の行方
(ずっと一緒にいたい)
(あなたと共に)





終わり〜完




2012/5/9



あれ?
落ちが…甘くならなかった。
とりあえず完結です!
ご覧くださりありがとうございました。
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