お題NARUTO

□●大好きな君のもとへ
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5、私を見ないで。きっと顔が赤い Kside











ミナトに抱きしめられて落ち着いた私は今の状況を把握する。
すると一気に顔に熱が集まった。






わ、私!





「ミ、ミナト!」
「ん?」
「もう大丈夫だから。」
そう言って私は腕に力を入れる。
すると、私とミナトとの距離は空いた。
少し空間ができたことにホッとするが、自覚すると心臓がうるさく鳴っていた。







「今日はもう帰ろうか。」
ミナトは立ちあがるとそう言った。
私の体のことを気遣ってくれたのだろう。

「うん。」
きっと顔の赤い私はそれに従って、立ち上がった。






並木道を二人ならんで歩く。






先ほどから顔の熱がなかなか治まらない。
赤い顔を見られたくなくて、ミナトから顔を反らして歩く。

ミナトからすれば、それは不思議な行動であったようで、こちらの様子を窺っていた。




「クシナ?」
「な、なんだってばね?」
ミナトは足を止めた。それにつられて私も足を止める。
「どうかした?」
「なんでもないよ!」



すると顔に手が添えられ、視界が一気に変わる。
目の前にはミナトの心配そうな顔があった。

「熱でもあるの?」
茫然としている私を置いて、ミナトは額や頬を触ってくる。

「ん〜。少し熱いかな。」
ミナトはのんきにそう言った。





「そんなんじゃないってばね!さ、帰ろ!」
ミナトに見られるのが恥ずかしくて、私はミナトの手を取ると速足に歩きだした。

「わっ。」
それは結果的にミナトを引っ張る形となったが、今の私は気にする余裕などなかった。









傾け始めていた夕日が並木を歩く二人を照らす。








私を見ないで。きっと顔が赤い
(顔が熱いよ。)








終わり
2012/5/3

すごく短くてすいません。
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