◆小説小部屋◆


□秘め事11
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その日は、母方の大叔父の法事だった。当初、ツナも行く筈だったが、女友達と翌日遊ぶ予定を入れてしまった為に、留守番をする事になった。
「ツナちゃん。本当に本当に、気を付けるのよ!何かあってからでは遅いんだから」
出掛ける間際、ツナは母の奈々から念を押すように、言われ続けていた。ツナ本人は、大丈夫だよ!と、笑っているだけで危機感が、全く感じられなかった。奈々の心配は当たり前だ。自分に似ているだけじゃなく、母から見てもツナは、可愛いのだ。少しより多めに天然が、入っていたとしても。それに、誰に似たのかいつも考えてしまう位、ツナのバストは大きく形も綺麗だった。今の時期は、まだ良いが夏は狙っているのが、はっきり分かる程にツナのバストを見ている輩を奈々は知っているのだ。奈々は小さく溜め息を落として、予防線を張って置こうと携帯を取り出し、掛け慣れた番号を見付けて発信ボタンを押した。数回の呼び出し音の後、聞き慣れた声がして、
「あ、リボちゃん。私だけど、今から出掛けるのよ。ツナはお留守番。それでね、夜に…」
と、隣に住むツナの幼馴染みであるリボーンに、頼み事をしている様だ。リボーンは、ツナよりも2歳年下だったがしっかりした少年で、奈々とは大の仲良しであった。事ある度に奈々は、リボーンにツナを任せてしまう大胆な人だ。
『うわっ。リボーンが来ちゃうなら、アレが見えない…』
母が幼馴染みのリボーンと携帯で話しする中、ツナは一人ある計画の練り直しをしていく。
「…だから、夜にちょっとだけ見に来てね!お願い」
お土産買って来るから、と楽しそうに奈々は電話を終えた。ツナはまだブツブツと、計画の練り直しを続けていたが、
「ツナちゃん。夜に少しだけリボちゃんが、来てくれるみたいだから…」
これで安心ね!と奈々は笑顔で言って出掛けていった。
家には、夜しかリボーンは来ないと知ったツナが、なんとなく良からぬ事を考えている顔をしていたのだった。
『計画の発動は変わらない!夜までは、ゆっくりとしていれば良いし…』
と、心の中で考えているツナの表情が、どことなく紅いのは気のせいなのか?
ちょっと胸を弾ませているツナがそこにいた。
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