◆小説小部屋◆


□秘め事6
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沢田綱吉26歳独身。彼女いない歴26年。今日も満員電車に揺られて、綱吉はパッとしないスーツ姿で出勤中だった。
綱吉は年齢以上に身長が低く、容姿も大学…否、高校生に見える。なんせ顔は母親似の、女顔をしているのだ。学生時代いやいや今も、女性より男性には以上にモテる。ここだけの話しだが、今綱吉が勤めている某会社の社長に、毎日お声を掛けられセクハラ状態なのだ。それはそれは、大変な位にだ。
そんな綱吉は、壁際に向かった状態で満員電車に乗っていた。今日も社長のセクハラに、どう対処してこの身を守ろうかと思案しながら…
不意に、綱吉の後ろが動いた。気付けば、電車は綱吉が乗り込んだ駅から2駅程進んでいた。
乗客の乗り降りがしばらく続く、綱吉が今日の仕事の段取りを少し考えて始めた頃、電車は次の停車駅へと発車した。
少しダボ付くスーツの内ポケットから手帳を取り出し、仕事の内容を考える綱吉。けして優秀とはいかないが、日々努力を続ける彼は周りの者からも、可愛がられていた。手帳と睨めっ子する姿は、社長以下綱吉を可愛いと思っている輩には、何か構いたく様な様子だ。そんな中、ソレは始まった。綱吉の後ろで、少し人が動いた。満員電車の中だったので、ホンの僅かしか動いていないが、ソレは綱吉の後ろにしっかり憑いた。
ゴソッとソレは手を、綱吉のお尻に触れた。
(えっ?)
綱吉が一瞬後ろを振り返った。が、手はそれ以上動いた様子は無く、気のせいかな?と綱吉の驚きを勘違いで逃れた。そうして、綱吉は手帳に意識を向け出した。すると、ソレの手は再び綱吉のお尻にスルッと触れて来た。今度は、掌の全てを綱吉のお尻に触れた。
(ええっ?ちょ、ちょっと)
もう一度綱吉は後ろを振り返ろうとしたが、電車がカーブを曲がる為、他の乗客に挟まれる状態になったので、振り返るより足下に力を込めて、耐える体制になった。しかし、ソレは綱吉のお尻に触れ続ける。始めはゆっくりと、少しして大きさを測る様な感じでスルッと触れたり、ちょっといやらしく撫でたりし始めた。
(ちょ、ちょっと、コレって…まさか!?)
徐々に触れる動作が大胆になり、何も言わない綱吉をソレは了承と捉えたのか、触れるから撫でるに変わっていった。
(う、嘘だろう?…俺、男だぞ。男の尻を触って何が楽しい!)
焦る綱吉は、この状況に驚きを隠せないでいた。
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