◆小説小部屋◆


□秘め事4
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その日の仕事を終えて、フリーの殺し屋であるリボーンは、いくつか持つ隠れ家の1つに帰り着いた。時刻は深夜。疲れた身体を四人掛けのソファに倒し、一息付いていた。
「リボーン?帰って来たの?」
唯一寝室である部屋のドアが開き、眠そうな少年の声が、リボーンにそう聞いた。
「…ツナか?どうした。また眠れ無いのか?」
ソファの前に置かれた硝子のテーブルに、被っていた帽子を置きながら、リボーンは声の主である少年綱吉を手招きする。
少年綱吉は、ゆっくりとドアを開け、自分を呼ぶリボーンの元へと歩いていく。その歩き方は少しだけぎこちなく、右足を引きずる様にして歩いていた。
頑張ってリボーンの居るソファの前まで歩いた綱吉は、柔らかな笑顔で、おかえりなさいのキスを彼の頬にする。
リボーンも穏やかに綱吉からの挨拶を受け、己もただいまと、綱吉の額にキスを落とした。
それを終えると、リボーンは綱吉を己の身体上に抱き上げ、今度は柔らかな唇にキスを落とす。始めは、ついばむ様なキスを、次に長めのキスをその次には少年にはまだ早い筈の、深いディープキスをする。ヌルッとしたリボーンの舌が、綱吉の舌と絡みヌチャヌチャと妖しい音をさせて綱吉の口内を侵した。
始めは受け入れていた綱吉だったが、苦しくなりだしリボーンの胸を押して、キスから離れた。互いの唇が、唾液で濡れどことなく、いやらしさを強調させる。
「ご馳走さん。ツナ…美味かったぞ」
リボーンは更についばむキスをして、綱吉を抱き締めた。
綱吉は少しだけ頬を染めて、細身だが鍛えられたその身体に抱きついた。
リボーンと綱吉。二人の関係は保護する者とされる者の関係だ。2年前まで、あるマフィアの専属だったリボーン。内部抗争による分裂と壊滅によって、多くの者が死んだ。また綱吉の父親もその中いた。リボーンは、戦友であった綱吉の父親から死ぬ間際に、綱吉の保護を頼まれたのだ。幼い頃に母親を亡くし、内部抗争によって死んで逝く自分は、身寄りの無い独りとなる綱吉を不憫に思い、旧知の中である青年のリボーンに綱吉を任せたのだ。内部抗争後、残党する者達によって新しくファミリーが作られ、リボーンにも声が掛ったが彼はそれを断った。その時保護していた綱吉を、新しいファミリーが狙い右足に障害が残る怪我を負わせたのだ。
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