小説置き場

□父の日
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ポスンッ
と、私はまたソファに寝転がるとため息をひとつついて目をテーブルに向けるのであった。
どうしても、怒鳴りあいになってしまう。
ただ私は大好きな彼と、ユーリとしているように、町に行って買い物したりカフェでお茶したり・・・つまりデートをしたいだけなのに。。。
なのに、彼は休憩に行った人の分の仕事まで片付けようとする。自分の事はいつも後回しで、人の事を優先してしまう。
まぁ、ユーリがサボりすぎなせいなのかもしれないのだが。正直・・・少しぐらい私にかまってほしい。
こういうのって、世間の女性がよく言っている(?)「仕事と私とどっちが大事なの!?」ってやつに当てはまってしまったりするのだろうか・・。
そしてふと目に止まった、ユーリの置いていったデジアナロッグの日づけを見て。
「グウェン!今日は父の日よ!!」
グウェンダルの正面に立って言った。
「・・・父の日・?」
今度は、訝しげな顔をちゃんと私に向けてくれた。それに満足した私はニッコリ笑って説明した。
「そっ、父の日!お父さんに日ごろの感謝を込めて何かをプレゼントしたり体を休めてもらったりする日。」
「・・・それが・・何か私と関係するのか?」
「だから、今日は私があなたに「休日」をプレゼントするわ。もう、こんな時間になっちゃったけど、残りの半日は仕事なんか忘れてゆっくりすごしてよね!」
そう言うと私は、彼をムリヤリ椅子から立たせて腕を引っ張りながら廊下を歩き出した。
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