小説置き場

□シェイクスピア
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「どうしてお前みたいに酢こんぶ臭いヤツを好きにならなきゃいけないんでィ。」
そう言い返してやると、彼女はあっさりとさっきの言い分を否定してきた。
「それもそうアルネ。」
こいつと話していると疲れる。このしゃべり方といい、ひねくれた性格といい。
そして、ちょっと期待してしまった自分に一番腹が立つ。
だが、そんなお前がどことなくほっとけない。
何で俺がお前なんか!
お前がもう少しチガウヤツなら素直に慣れたかもしれないのに。
そう、チガウヤツなら・・・。
「何でお前は神楽なんでィ。」
いつになく真面目に、初めて彼女の名前を呼んでみた。
呟いただけのつもりなのに、ちゃっかりと彼女の耳にも届いていた。この地獄耳め・・。
「・・・・何言ってるアルか?お前、更に頭おかしくなったカ?」
「お前さんはシェイクスピアも知らないんですかィ?」
「シェイクスピア?そんな食い物聞いたことないネ。」
こいつにシェイクスピアを聞くほうが間違いだった。
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