Gift

□邂逅
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苑兎の座敷から出た後、胡鶴は泉に呼ばれた。


胡鶴は、先程、苑兎から指名を受けた時と同じような予感がする。


(また指名される感じがする……)


そして、その予感は当たった。


「鶴ちゃん、お客さんよ!」


「こ、今度はどんな奴なんだ?」


「またまた男前のお侍さんだよ。鶴ちゃん、すっごく人気だねっ」


楽しそうに喋る泉を横目に、胡鶴は明らかに嫌そうな顔をする。


男にモテたって嬉しくないし、第一、自分は男なのである。


父親からの仕事でなければ、絶対に引き受けなかった。


そして、胡鶴には女装をしてまで客を相手にする意味が解らなかった。


「オレ、本当に嫌なんだけど……」


「もう、鶴ちゃん!オレじゃなくて私だよ」


「うぐぐ……」


唸る胡鶴を引っ張って、泉は座敷へと案内した。








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