Gift

□クリスマスフリー'07
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*MerryChristmas*


寒い夜空の下、大助は夜道を走っていた。
いつもは隠している運動神経の良さを、出し惜しみせずに全力疾走だ。
しかし、全力疾走で走っていると、さすがに大助も息が切れる。
案の定、出発地点である家から数分で一旦停止した。

「つ、疲れた……」

乱れた呼吸を落ち着かせるために、大助は深呼吸を繰り返す。
やがて呼吸が楽になると、大助は走り出した。


懸命に走り辿り着いたのは、好きな彼女の家。
大助が辺りを見渡すと、彼女は自室のバルコニーに立ち、夜空を見上げていた。

「梨紅さん」

小声で呟いた大助の呼び掛けは梨紅に届き、彼女は大助を見つける。

「丹羽君!?こんな時間にどうしたの?」
「梨紅さんに渡したい物があるんだ」
「渡したい物?」

大助は、此方に急いで来た梨紅に小さな箱を手渡した。

「開けてみて」
「うん……うわぁ、綺麗」

中に入っていたのは、小さなブレスレット。普段装飾品に興味がない梨紅でも、綺麗だと思えた。

「梨紅さんに似合うと思ったんだ」
「ありがとう丹羽君。大事にするね!」

梨紅が微笑むと、二人の幸せを祝うように、夜空から雪が舞い始めた。

「MerryChristmas」

大助が梨紅に呟いた言葉は、白い夜空に溶け込んだ──。








*fin*
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