天使の羽
□【遥かなる1】神子殿ォ!!
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ある日の午後、白龍の神子である元宮あかねは、天地の玄武の八葉と話し込んでいた。
「…頼久がすとぉかぁですか?」
話しがあるので、と呼び出された永泉は神子の言葉に首を捻る。
泰明も聞き慣れない言葉を不思議がる。
「神子…すとぉかぁとはどういう意味だ?」
あかねは待ってましたとばかりにひとつ咳払いして口を開く。
「ストーカーとはですね、四六時中異性の後を相手のことをお構いなしに着いて回る事です。」
あかねの説明に永泉はきょとんとした表情になった。
「神子…ですが頼久は…その、ストーカーとは違うのではないのでしょうか?頼久は神子を守るのが役目ですし…。」
永泉の言葉にあかねは首を振る。
「私も最初はそう思いました…ですが変じゃないでしょうか?!だって見計らった様に湯浴みの後や、厠(かわや)へ行った後に丁度良く現れるんですよ!天馬君や詩紋君に言っても気にしすぎだって言うし、友雅さんは訳分からない事言うし、鷹道さんとイノリ君はあてにならないし!!」
半泣きになったあかねに永泉はわたわたと慌てたが、泰明は何か考え始め、ゆっくり口を開いた。
「わかった…私が頼久にお灸をすえておく…。」
そう言うと、泰明はぽかんとしている2人を置いて何処かに消えて行った。
その後…何故か頼久はしばらくあかねに近付かなくなったという…。
終わり
09/3/10加筆