混沌は眠りの先に
□第一章 −平穏な日常−
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「ティアラ」
少年の言葉と同時に、鳥は舞い降り、その巨大な両翼をそっとしまった。
銀の姿に蒼い双眸。
「どうだった?」
『この先に、街がありました。そこまで大きくはありませんが、水分も食料も豊富でした』
「よっしゃぁ!もー俺喉からから…なぁ、良いか?」
少年が言うと、鳥はそっと頭を下げて体制を低くした。
ありがと!と少年は鳥の上に慣れた様子で乗り、一息ついた。
ごろんと寝転がり太陽から目を眇る。
バサッともう一度しまった両翼を広げて大空へと飛び立った。
爽やかな風が頬を撫で、汗を乾かしてくれる。
「街に、俺らみたいなやついたか?」
『気配は…感じませんでした』
「そっか」