Deep sea
□episode2 −甘い甘い誘惑−
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旅に出るから荷物を纏めろと言われても、何が何処にあるのか、何がいるのか、経験がない。
荒れた部屋を見つめて、呆然としていた。
「莉都?」
一向に動かない俺に、リイラは首を傾ぐ。
「何をどうするのか、わからないんだよ…」
正直な気持ちを述べる。
するとリイラは微笑んで、真っ直ぐ俺を見つめた。
「旅には余計な物はいりません。ただ離したくない大切な物だけを持って下さい」
「大切なもの…」
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