キリリク部屋

□貴方という人は…。
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「緑茶が抹茶しかないがどちらにする?」

「では緑茶を。」

「分かった。少し俺の部屋で待っていてくれ。」


「待たせたな。」

「いえ、ですが少し遅かったように思えたのですが。」

「あぁ、少し電話をな。」

「電話ですか?」

「あぁ、蓮二が練習の事で相談したい事があると言うのでな。意見を言っていたのだ。」

まぁ、真田君にとって柳君と相談と言うのは日常茶飯事ですし仕方ありませんね。

「そうですか。」

「あぁ。…冷めん内に飲んだ方がいいぞ。茶菓子はこんな物しかなかったが。」

「お気遣い有難うございます。とても美味しいですよ。」

「そうか。」

【〜♪〜♪】

「む、誰だ?ちょっとすまんな。」

「えぇ、お気になさらずに。」


「はい。あぁ何だ?」

「いや、今は無理だ。あぁ、また今度誘ってくれんか。あぁすまない、またな。」


「すまない、待たせたな。」

「いえ、どちらからだったのですか?」

「あぁ、仁王だ。」

「仁王君?」

何故仁王君が?

「この前、将棋を教えたのだ。そしたら興味をもってな。人の戦略を見破るのが面白いんだそうだ。」

「そして今日お誘いを?」

「あぁ、だが今は柳生と一緒だからな、断ったのだ。」

では私がいなければ仁王君のお誘いを受けたのですね。

「…そうですか。」

「柳生?」

「何もありませんよ。」

【ピンポン】

「む、今度は誰だ?」

「はい。…お前か。」

「お前かとはひどいじゃないッスか!!」

「玄関先で騒ぐな。で、どうしたのだ?」

「俺、追試あるんスけど勉強教えて貰えないかなぁと。」

「今日は無理だ。」

「え〜何でッスか?」

「もう、分かったから騒ぐな。分からない所だけだぞ。」

「わ〜い。」


「真田君、誰だったの…。」

「ウィース」

「切原君…」

「どうしても分からない所があるからと駄々をこねられてな。」

「それじゃ俺が子供みたいじゃないッスか!!」

「みたいじゃない子供だ。」

「貴方と言う人は…」

「柳生?」

「すみません。私、用事を思い出しましたので帰らせて頂きますね。」

「突然どうしたのだ?」

「別にどうもしません。」

「帰るって言ってるんスから別にいいじゃないッスか。」

【バン】

「失礼します。」

「柳生!!」

「切原君の勉強を見てあげて下さい。」

「なっ、柳生!!」
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