大人向け短編集
□大人向けSS
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無防備に俺に寄りかかっている、柔らかな感触。これはもう、襲うしかないだろう。
「いただきます……!」
起こさないように小声で呟き、心の中で手を合わせて。そして、
俺の幼なじみは小悪魔だ。しかも無自覚系の。
「ゆー君あそぼ〜」
俺たちももういい年頃だというのに。毎日のようにそう言いながら俺の部屋に乗り込んでくる。暑がりなのだと言い張り、いつでも布面積の少ないキャミソールと太もも丸出しの短パンという格好で。もう一度言おうか? ……やめとくか、何か俺が変態っぽいし。
それで大抵、俺に寄りかかる形で寝落ちする。確実に誘われてると思う。毎日が本能と理性との戦いで、そしてなぜか俺の理性は連戦連勝だ。ヘタレとか言うな。
こんなちっさい頃からそばで見てきてるんだ、それなりに危ない目からも守ってきたつもりだ。そんなヤツを俺が汚すわけにはいかないだろ。まぁ毎回ギリギリだけど。腕に押しつけられてる胸の感触とか、正直オカズにはしてるけど。
だから今日も、近づけた顔を寸前で止めて。あ、何かいい匂いする、……やべぇな。さすがに今たたせるわけにはいかない、そう思って離れようとしたら。
「早く襲えよヘタレ」
「は?」
聞いた事もない低い女の声がすぐそばで聞こえて。結論から言うと、美味しくいただかれました。お互い初めてだったはずなのに、終始リードされてたとか……まぁ彼女が満足げだから、いいか。
END
襲うつもりが襲われてしまった図。