闇の守護者

□10話
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ぼくは教室で空を見上げていた
今日はスクアーロが戦う番、スクアーロなら大丈夫だと思うのに、何故か不安で不安で仕方がなくなる
きっと、昨晩のベルの嵐戦のせいだろう
そのせいで・・・こンなにも不安なのだ

「どうした?なんか悩み事か?」

赤也の顔がドアップで目の前にあった、そのせいでぼくはビクッと肩を跳ねさせた

「いきなりなンだよ、びっくりするじゃないか」
「実際驚いてただろ」

いたずらが成功したような笑みを浮かべる赤也を見ているとなんだか少し胸があったかくなるような気がした
どうしてだか、全然わかンないけど

「で、なんか考え事か?深刻な顔してたけど」
「別に大したことじゃねーし、赤也には関係ないことだよ」

・・・そうだ、赤也には関係ない、いや、関わらせちゃいけないことだ
赤也は表の世界の人間、ぼくは裏の世界の化物だ

「そうか?何かあったら言えよ、俺らダチなんだしよ」

ダチ・・・か、友人ってことか
嬉しいな、でもなぜかすっごく複雑な気持ちになる
友人だけでいいじゃないか、なのにそれ以上を望む自分がいる、わからない、わからない
最近の自分はどこか変だ、この気持ちはいったいなンだ?知らない、こンな感情・・・ぼくは知らない

「うン、心配してくれてアリガト赤也」

とりあえず笑顔を作って礼を言った、赤也も嬉しそうに笑う
その笑顔に何故かドキっと心臓が鳴った、思わず胸あたりを握った
顔あたりもなンだか熱い・・・気がする、風邪でもひいたのかな?
・・・後でスクアーロにでも言ってみよう

「でも私は赤也のテストの点数が心配だな〜」
「おっ俺だって頑張ってるよ・・・」
「頑張ってる割には毎回赤点じゃン、しかも全教科」

そう言うと赤也は子供っぽく頬を膨らませた

「テスト何日か前に柳先輩にでも教えてもらいなよ、特に英語」
「・・・もう教えてもらってる」

それで・・・あの点数・・・
さすがのぼくでもちょっと引いた

「なんだよその目!」
「あ、いや、別に・・・」
「別にじゃねーだろ!
テスト前の先輩たちの目ぇしてんじゃねーか!」

あ、もうされてるのか・・・立海3連覇に死角なしって言うけどコイツのテストの点数のせいで死角がバリバリある状態だもんね、わかるような、わかんないような感じだ

「罰ゲームとか決めたらどう?
赤点一つにつきゲーム一週間禁止とか」
「無理」
「じゃあ鉄拳制裁?」
「いつもやられてる」
「・・・柳先輩と真田先輩のお説教」
「毎回」

もう、考えつかない
しかも、あの点数じゃお説教の結果が全く出てないよ

「まぁ、ファイト」
「お前もな・・・
テストっていつだっけ・・・」
「中間なら再来週あたりだった・・・気がする」

赤也は全部、ぼくは英語と数学がヤバイ
やっぱり自己流の勉強法だと限界が来ちゃうから、来週あたりスクアーロにでも教えてもらおう
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