闇の守護者
□1話
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教室に響くチャイム音を合図に、ガタガタという音を出しながら椅子を引いた
「さようなら」
教室内に生徒の声が響き、それと同時に騒がしくなる
その声を聴き乍、ボクはうーんっと大きく伸びをした
「やーっと、終わった〜」
退屈な時間が終われば、部活動の無い者は帰るだけだ
「やっと終わったって、お前寝てたじゃん」
そう言ってボクの隣で笑うこのもじゃもじゃとした独特な髪型をしている男に、ボクは少しむっとする
「それは赤也も同じでしょ、ボクよりもぐっすりおねんねしてたくせに」
そう言い返してやれば、もじゃもじゃ頭・・・もとい赤也はうっと声を詰まらせた
少しいじめ過ぎたかな、と思いながらボクはくすりと笑った
「ごめんごめん、それよりも赤也・・・部活、行かなくていいの?
早く行かないと、怒られるよ」
「やっべ、もうそんな時間かよ!」
慌てた様子で鞄を持ち、ガタガタと音を立て教室の外へと向かいながら振り返り
「アルカ、また明日な!!」
「うん、また明日」
それだけ言い、バタバタと教室を去っていく赤也をひらひらと手を振りながら見送る・・・これが、いつも通りの平和な光景だ
「本当、狗神さんと切原君って仲いいよね」
そう、突然話しかけられそちらを見れば、そこにいたのはクラスの女の子、あまり話す事は無いけれど希に話す程度の仲の子だ
「そうかな?別に、普通だと思うけど」
小さく首を傾げながら言えば、『絶対に仲良いよ』と、そこ子は楽しそうに笑うので、ボクもそれに釣られて笑った
「何の話してんの?」
「私と赤也が仲いいねって話だよ」
今度は違う女の子、その子にそう答えればその子も確かに、と面白そうに笑った
「そんなつもりないんだけど・・・あっもうこんな時間、帰らなきゃ」
「今日何かあるの?」
「うん、今日はとっても大切な用があるんだ」
そう、とっても、とっても、大切な・・・ね
「だから早く帰らなきゃ」
「そうだったんだ・・・引き止めちゃってごめんね」
「ううん、大丈夫・・・じゃあ、また明日ね」
「また明日」
ひらひらと手を振ってボクは教室から出る、あゝこれじゃあ赤也の事言えないな
そう思いながらボクはくすりと笑い、帰路に着いた