偽りから…

□偽りの少女
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「蝶左〜饅頭くれ〜」

「ヘイヘイ」

「相変わらず烏頭目に甘いねぇ…蝶左さん」

「誰が誰に甘いって??!!」

「…蝶左」

「オイ、ガキ!!」

ギャーギャー

とまあ、そんな感じで黒城に向かっている俺達黒羽一派。

ちなみに蝶左は甘いものが苦手、それに対し烏頭目は好き。

(てか、あげるぐらいならなんで蝶左の分も買ったんだよ。)

一人心の中でつっこんだ俺。

しばらくし、深い森を抜けた俺達。
辺りは草原、真ん中にあるのは城。それが黒城だ。

「黒!?」

「黒城だかんね〜…」

「あ…」

ふいにみなもが何かを見つけたように声をあげた。

「どうかしたワケ?って…あぁ!!」

「お前らっ!!何でここに…」

「…どちら様?」

「この前島であったやつだろうが!!自分で覚えておけとか良いながら覚えてね―のか!!!」

雰囲気的に、島で会った奴等らしい。

「そっちこそ、誰ですの…?」

綺麗な顔立ちをした女が話しかけてきた。

「俺は愛夏。知らなくて当然だけど…ちなみに殺したりするのは苦手分野(笑)」

「お尋ね者の癖にか」

カカカと笑う青年。

「まあね。君達は?」

「薬馬小四郎、西洋で医学を学んできた医者だ。」

彼の第一印象は、真面目。でも、素直で良い人間だと思った。

「私は六兎閨ですわ。よろしくお願いしますわ。」

特徴的な話し方をする女は礼儀正しく頭を下げてきた。…敵なんだけどな。

「俺は弐猫控。500年生きてるんだ♪」

頭大丈夫か、ラリってんじゃねーか…?

「ワシは天邪狐空。偽り人や。」

ピクリ

俺の体が動いた。

「…そうか」

落ち着け俺。こいつらは違う…あいつらと同じ偽り人でも違う…

『俺は―。偽り人だよ♪』

ちょっとだけフラッシュバックした。
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