青の祓魔師d

□今日も今日とて
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5限目は体育。
合同授業で、俺は志摩と一緒になる。
藁にも縋る思いで、志摩に相談しようと体育館に向かう廊下で志摩に声を掛けた。


「どうしよう、志摩ぁ…」

「うわ、何泣いてんの、さすがにキモイわ」

「…あー、どないしはったん」

「………名前とケンカした」








「いつものことですやん」

「馬鹿!違えよ!今回は本当にマズいんだよ!」


そりゃ、ケンカは多いさ。
でも、毎回すぐに仲直りできてたんだ。


だけど、今回は2日経っても、音沙汰なしなんだ…
むしろ、名前に避けられてる…完全に。


これは、世に言う自然消滅の危機かもしれない!


「じゃあ、謝ればいい話やん」

「…それは、できねえよ」

語尾になるにつれて、声が小さくなるのが自分でもわかった。


「原因は?」

「わっかんねえ」

「あ〜それですわ、それしかありえへん」

「は?」


志摩に縋ったのが間違いだったのか
言いたいことが全く分からない。
藁は藁なのか…


「声に出てるよ、失礼やな」

「それで、謝らんの?ほんまに?」

「謝らねえよ、、もう、名前なんかどうでもいい」


自棄になって言ってしまった。


「あっそう、私も燐なんかもうどうでもいい!」


場所を考えてなかった。
いつ名前が近くに来たっておかしくない、廊下で
そんなことを言うなんて。

最悪なことに、しっかりと彼女の耳に俺の言葉は届いていた。



「…名前」

「燐なんか、燐なんか!!き、きら…やっぱり好きなんだよおお!!!」


「俺も…!俺も名前が好きだ!!」

「ごめんね、小さいことで怒って…ごめんね避けて」

「…寂しかった」



廊下だとか、周りの人目だとか、何も気にせずに名前を力一杯に抱きしめた。




「何やっとんねんコイツら」

「見てわかりますやろ坊。茶番ですよ。寒気しますわ〜」

「廊下でアホなことすんなっちゅうねん、バカップル」

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