青の祓魔師d

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「勝呂!?」
「燐!勝手に動くなよ」

竜士の怒鳴り声に反応した燐ちゃんをシュラが空かさず止めた

あー…本当に苦手なんだけどな…こういう雰囲気ね
何て言うか…うん、帰りたい…
部屋のベッドが恋しいよ



「蝮の言うとおり…俺らを裏切っとるんか…!?」

「そ、そんなワケないやろ」

「せやったらこの皆がおる前で 今ホンマの事言うてくれや!!!」

竜士と達磨の思いがすれ違う

「ホンマの事…それは"秘密"や
"秘密"は息子のお前にも話せへん」

またいつもの調子で笑いながら
できれば一生
と言う達磨に竜士は呆れ顔のようだった

「この状況でアンタ何言うてんねん…」

「とにかく!今はそれどころやない蝮を追わんと
竜士、お前はお母や先生の言うことよう聞いて大人しぅしとるんやでええな?」


「親父面すな!!!!」

竜士の叫び声に一瞬その場の時間が止まったように静かになりまたザワザワとどよめきだした

私の腕を掴む燐ちゃんの手が叫び声を聞いて少しだけ掴む力が強まった




「このまま喋らんで行く言うんなら


アンタは金輪際親父でも何でもないわ!」


本気でそう言ったのか
それとも、話してほしさについ口からでた嘘なのか

それは私には分かりかねないけど

それはきっと言っちゃいけない言葉なんだと思う




捕まれていた片腕が放されて
燐ちゃんが前方に歩いていった



前を見ると重たい空気の中、深部から去ろうとする達磨の服を燐ちゃんが掴んでいた

「…ん!?げっアイツまたいつの間に」

名前も抜けたの知ってたんなら止めろよ!と隣でシュラが少し怒っていた

『んー、ごめん』

「奥村!?」

「何で行くんだよ!アンタ勝呂の父ちゃんだろ!!」

「燐くん…」

竜士の声を無視して達磨に話しかけたと思うとすぐに竜士の方を向き、竜士を殴った

「それに勝呂てめェは!!」


うわ…痛そう…
竜士は反動で数メートル後ろに飛ばされた

「今何か光らなかったか…?」

周りが燐ちゃんの感情任せに少し出た炎に気づいてざわつき始めた
隣でシュラも少しマズそうな顔をしている



そんなこともお構いなしに燐ちゃんと竜士は言い合いをやめない

「関係ないやろうが!!黙っとけや!!」

「親父を簡単に切り捨てんじゃねえ!!!!」

「お前に言われたないわ
サタン(オヤジ)倒す言うてる奴に…!」


二人の言葉をただ人混みの中から聞いてるだけだった
口出しせず、何も思うこともなく眺めるだけ


窓の外の出来事のように



「まあまあ燐くんも竜士もここらで仲直りや
なあ」

「…アンタはどこへでも好きに行ったらええやろ
二度と戻ってくるな!!」

一人調子の違う明るい声で言う達磨に竜士が怒鳴った
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