青の祓魔師d

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また同じ夢を見る

もう分かってる
声をかけても
振り向いてくれないことくらい
もう諦めてる





「名前…」

『…!?お母さん?』
何で!?
「姉ちゃん!」
「名前…!」

皆が私の名前を呼ぶ

『みん、な…!』

動けないことに変わりはないけど
皆が振り替えって名前をよんでくれる



「帰ってきてよ!」
弟の声が一際大きく何もない空間に響いた

みんな泣きそうな顔をしてる


「名前!立って!」

おかあ、さん…

「ほら!掴むんだ!」

遠くからお父さんが手を伸ばす

『でも、私…』

試しに足を動かしてみる
今まで固まっていた足は普通に動いた
足元にずっと巻き付いていた蔓が枯れて落ちいている


踏み出すと夢なのにリアルな土の感触

『みんな!』

歩けるんだ!
自然とスピードは速まって
走り出した

家族に近付くにつれ
地面はより一層柔らかく、土ではない物に変わっていく


『うわっ!』

もう少しでお父さんの手を掴めると言うところで
片方の腕を誰かに捕まれた


『…パ、パ?』

メフィだった。

後ろには塾の皆もいる
それだけじゃない、ここで出会った皆がいる。



どうすればいいの…?


悩んだ瞬間
立っていた場所が崩れだして
私は真っ暗な闇の底に落ちていく

『いやあああ!』










「名前!おい!」

『っ…!はぁ、はぁ…』

「大丈夫か…いきなり叫ぶからビックリした」

『あ、ごごめん』

開いたままの障子からして
たぶん、飛びこんで来てくれたんだろうな…

「なんか、名前魘されすぎじゃねえか?この間も…」

『ん、大丈夫だよ。ちょっと夢見が悪いだけだから、ほんとに』

「なら、いいけどよお」

いつまでも心配気な燐ちゃん

ありがとう。
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