青の祓魔師d

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旅館の従業員の方が皆大きな声で女将さんを呼ぶと
すぐに女将さんが奥から顔を出した


おお、やっぱり綺麗だ!
こんなにも綺麗なお母さんなら授業参観に来てもむしろ皆に自慢できるんだろうな

「…とうとう頭染めよったな…!!
…将来ニワトリにでもなりたいんかい!」

前言撤回!怖いです!
迫力がすごい!

女将さんと竜士が二人して同じ顔をして親子ゲンカを始めた


「あちらは塾のお友だちやね
どうも竜士の母です
いつもウチの息子がお世話んなってます」

竜士に向けていた怒り心頭な様子の顔とはまったく違った
素敵な笑顔で私たちに挨拶をする
笑顔の虎子さんってやっぱり綺麗!
いいなー、こんなお母さん。

ひそかにこんな人になりたいって思ってみた


「母…え…この人勝呂の母ちゃん?美人だ!!なあ?!」
『うえ!?はい、お綺麗です』

突然のフリに驚いた
けど、思ったことを素直に伝えてみると
ありがとう
と笑顔を返してくれた。



その後すぐに
でも勝呂の家はつぶれた寺だったんじゃ…
とか、あまり触れない方がいいところを普通に訪ねてたけど
女将さんは明るく返してた
明るい人だ…いい人


「名前、顔」

『え!!』


モス曰く、顔が酷くニヤついていたそう。
誰かに見られてないよね…?


「杜山・神木・宝・奥村・名字はこの湯ノ川先生について看護のお手伝いしてきなさい
ついてそうそうナンだがキビキビ働いてくれたまえ!」

「「『はい!』」」
「はーい」



京都組の3人は身内に挨拶しに行ったとか。
いいな、私も久しぶりに皆に会いたい

たまにそんなことを考えてしまう



「名前!お前はしっかり燐のめんどうみとけよ!お前のことも信じてるからな♡」

『うん』
パパみたいな星が飛んでこなかっただけ良しとしようじゃないか!
「なんでめんどう、みられなきゃいないんだよ!」
「面倒なこと起こされちゃ困るからだよ!」
「…はい」


威勢のよかった燐ちゃんが
シュンとなると尻尾も同じように垂れ下がった

これ可愛い!

テンションの上がった私のは振れる速さが増した




「じゃあとりあえず、皆こっち来て」

先生に言われるまま着いていくと
一切の襖を取り払った大きな部屋に20人程が寝かされていた


「すごい数の人…!」

「奥の離れにまだ15人いるんだよ」


はぁー…確かにこりゃあすごい人だ
「こっちは比較的軽度の魔障者だ」


前に立つ5人の頭と頭の間から魔障者を眺めていると先生から
指示がでた

「調理場で解毒用の薬草茶作ってるからそれ給仕したり、点滴が切れそうな所にそこの箱から点滴の減菌パックの換えを持ってってあげて」


うん、これくらいなら私にもできる


さっそく全員が仕事に取りかかろうとした時


「おっと奥村くんと名字さんは別!」


『うえっ』


先生が燐ちゃんの襟首
燐ちゃんが私の腕を掴んだ


おかげで足元にたいたモスを蹴り飛ばしそうになった
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