青の祓魔師d

□20
1ページ/5ページ


「ここから先は大変危険です!
皆さん下がって!!」

こんなにも暑い中皆さんよくもまあ群がってられますねえ…


「あっちーしもう帰りて〜」

『あ゛〜…シュラに一票!』

「うしゃあやるぜ!」

燐ちゃん…元気そうでなによりです
雪はさっきからずっと黙りとおしてる
どうしたんだろう



私と燐ちゃんが連れてこられたのは
北十字五丁目
古い建物が所狭しと立ち並ぶ一角



「お疲れ様です!」

「あ、奥村くんお疲れ様です」

嘘…この野次馬の中通ってくの!?
人酔いの激しい私が
いくら小規模とはいえ、この人口密度の中を歩くなんて…!
死活問題だって!!!まさに!




「どうしたんだ名前?」

また百面相をしていたのか燐ちゃんが
顔を覗き込みながら尋ねられた。

『な、なんでもない…』

「わかった、人込み苦手なんだろ」

『…うす』

「うっははは!お前こんなくらいでビビっててどうすんだよ!アハハハ」

『うわッ、ソコ笑っちゃう!?冷たいな〜』

もっとそこはさ、大丈夫か?とか紳士的に!

「はぐれんな?」

『え』

少し強めに手を握って引っ張られた


ときめくっていうか…その前にやっぱり
通るんですね!!!



だけど、嬉しくてつい手を握り返してしまう





「遅くなりました中一級の奥村雪男です」

「上一級霧隠ずぇーす」

人込みを抜けると
いかにも落ちこぼれといった感じのエクソシストのおじさんが座り込んでいて
その人に2人が挨拶をした。

たぶん、現場担当の人なんだろう


あ、違う、コイツ見たことあるじゃないか




「わ…私は…?その子たちは…?」

燐ちゃんと私を見てから不思議そうな顔で尋ねた

「へっへっへっへ〜俺か?…候補生の奥村燐だ!」

おお、しっぽの揺れ様がすごいぞ!か、可愛い!

「れれ例の!なら、そっちらの子は…」

『あ、はい。名字 名前です。』

「だ、大丈夫なんですか…?」

芝居上手くないかコイツ…


「まー、ご懸念はもっともだけど
なんせ"法執行部"の決め事なもんでして」


藤堂の反応にシュンとした燐ちゃん
握られている手に籠もっていた力も少し弱くなった
え、手??手!!!!!


『うっわああ!燐ちゃん!ありがとう!もう大丈夫だから!!!!』

「はあ?」

『手!手!』

「…手?   うおっ!すまん!」


二人してテンパってなにやってんだ…

「お前ら…初だな〜にゃははは」

燐ちゃんを挟んだ隣からシュラの笑い声が聞こえたけど
コレは聞かなかったことにしとこう。



「それで、説明を受けたいんですが」

「私は"最深部"部長・上二級藤堂三郎太です」

藤堂が説明を始めたけれど分かってる私には興味のないこいとだった


駄目だ、コイツやっぱり演技下手くそっぽい

話す度にどもっているし
どうやって侵入したのか
盗んだヤツが強いのか
シュラの質問には全て不明の一点張り
怪し過ぎるよ
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ