青の祓魔師d

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どうやら幸運とは長続きしないらしい



食堂に着いたときには既に長蛇の列が出来上がっていて

やっとこさ、ご飯を食べ始めて
もう少しで食べ終わるってところでチャイムが鳴った
急いで、食べてしまってから教室に戻っても
遅刻は遅刻。
竜士からニヤついたような馬鹿にしたような
笑顔をプレゼントされ
遅刻したからと、先生に指名され続けた



これはダメだろ…
不幸の連続じゃないか

6限は熟睡できたから問題ないけれども


あぁ、ほんと自分の運の悪さを憎むね


「はい、じゃあ起立ー」


しまりの悪い担任の挨拶で1日が終わる


「名前〜!」

鞄に教材を突っ込んでいると燐ちゃんの声が聞こえてきた


あぁ、『末期かもしれない』
「何言ってんだ?てか、塾行こうぜ!」
『うやぁああ!!』
今度は、真後ろから聞こえてきてとんでもない声をあげてしまった


こいつ…こいつ…


「どうしたんだー?」
あっけらかんとした顔で尋ねてくる燐ちゃん


『くっそ、びびらせやがって…』

「…ぶっ!びびったの?!アレで?!ギャハハ」

一瞬目を見開いたかと思うと
壊れたように笑いだす燐ちゃん

わ、笑われた…!!
笑った顔もまた…じゃない!はずかしい!!

『〜っ、もー早く行こう!』

教科書達を詰め込み終わったカバンを肩に下げて
足早に教室を出て
人気のない教室の扉に鍵を差し込む



「んー、今日も頑張る!」
『どうせまた寝るんでしょー』
「だ!」
へっ、さっきのお返しだコノヤロー



『あれ、しえみ?』
廊下に出るとしえみが膝をついてへたり込んでいた


「うお、ホントだ
何やってんだそんなとこで…」


「…燐 名前」


どうしたどうした、名前を呼ばれた途端に泣きそうな顔になるしえみ

「な…なんでもない…!」

「……あっそ…?」
『え』

あっそじゃないでしょ!
明らかに涙堪えてたじゃないか今の顔!
燐ちゃん軽すぎる!


でも、あんまり深入りするのもアレだし
見守っとこうかな
べつに私は冷たいわけじゃないから!
超絶温かいからね!友達にも
「お前何なの、温かい通り過ぎてる熱帯並み
に熱い、何修○なの?」
って言われてたくらいだし。





「どうしたんだろうな?」

『んー、分かんない…!』


あー、思い出したぞ。




あれだね、生活してると
昔のことから順に忘れちゃうね
でも、地味なところで突然思い出すからすごいよね
人間すごいね


あれ?
なんか逸れてる
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