the others

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『家康!』

「人麻呂!起きていて大丈夫なのか?」

『うん、今日は調子いいの。今日は夢にあの白い人が出て来たの。何か言ってたんだけど…んー…』


またか?と心配気な顔を向けられた。
知っているようで、知らない人。
夢を見ていたのか、過去を見ていたのか。それとも未来か。

綺麗に消え去った記憶が酷く惜しい。
ぽっかり穴が開いたような空虚感。

家康が笑うなら、過去は捨てても良いと思えるけど
それでも、あの白い人が叫ぶ。


私を、私たちを捨てるな。と。
だが、貴様は生きている。と。
思い出さなくていい、幸せになれ。と。

知らないはずなのに、とても懐かしい。


『家康、私は幸せ?』

「わしがお前を不幸にすると思うか?」

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