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腕を怪我してからしばらくドラコは授業に顔を出さなかった。
何度か医務室へお見舞いに行ったものの、十分に元気そうだった為そう頻繁には行かなかった。
パンジーは毎日行っているようだったけど。


「ハグリット、随分落ち込んでいたわ」

「そっか…あんなのドラコが悪いだけなのに…」

ハーマイオニーは悲しそうな顔をしていた。

いくら関わりがあっても、さすがに今回の怪我はお宅の子供に責任があります
なんて事親にむかって言えないし、どうしようもない事がもどかしい。





ハーマイオニーと話していると、教室にスネイプが入って来たため、席に着いた。
グリフィンドールと仲が良いよいうのは寮監としてもあまり心地良いものではないのか、毎回じとっとした目で睨まれる。



今回の授業からは縮み薬をつくるらしく、作り方などの説明が始まった。


これが自分で調合できるようになれば、行動も制限されなくなるだろうな。
周りの人はみんな随分と大人びた顔つきにはなってきたけど。
さすがにずっと、本当の姿でいるには違和感がありすぎる。



授業も中盤に差し掛かった頃
ドラコがふん反り返りながら教室へ入ってきた。


「ドラコ、どう?ひどく痛むの?」

パンジーの質問に、ああと短く答えた。



スネイプがドラコを席に座らせ、ハリー、ロンと同じテーブルで薬を作らせた。




3人は何やら話をしているようだった。
ハリーはイライラが収まらないのか、手が震えているのが見えた。


私の座るテーブルの隣ではネビルがオレンジ色をした薬を作り上げていた。



「オレンジ色。君、教えていただきたいものだが、君の分厚い頭蓋骨を突き抜けて中に染み込んでいくものはあるのかね?我輩ははっきり言ったはずだ。ネズミの脾臓は一つでいいと。聞こえなかったのか?ヒルの汁はほんの少しでいいと明確に申し上げたつもりだが?ロングボトム、いったい我輩は君に理解していただけるのかな?」

ネビルは赤くなり、今にも泣き出しそうだった。


すると、ハーマイオニーが私に手伝わせてくれと申し出た。
が、スネイプはでしゃばるなと一喝していた。



私は既に完成した薬を鍋から小瓶に移し、ただ授業が終わるのを待った。

こんなに簡単にできるなら、もっと早くから教えてもらっておくべきだったと後悔すらした。



授業が終わる数分前、スネイプはハーマイオニーに助けられながらネビルが完成させた縮み薬をネビルの蛙、トレバーで試させた。
薬はちゃんとできていて、トレバーはおたまじゃくしへと変化した。

しかし、スネイプはそれに対して、グリフィンドールから5点減点した。
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