HPd

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十数年ぶりに見た、囲いのない空は記憶の中にある青と入道雲の空じゃなく、鈍色をした重たい空だった。



もうすぐ、もうすぐ会いに行くから。

あと少し時間をくれないか。




どこにいるのかも分からない、その人に
問いかける。
答えはない。




失ったものを全て取り戻す。

過ぎた時間を巻き戻すことはできなくても、これからまだまだ時間はある。




もう随分と待った。
もういい時期のはずだ。
そこで待っていれば良い。
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