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カフェやバーでバイトしていたことが幸いして
なんとか漏れ鍋でも働けている。
メニューは独特な名前の物も多いけど。
ここで働くため、初めて来たときからここでは子供の姿ではなく、本来の姿をしている。
事情とかは全て校長が適当にはぐらかしてくれたお陰で、触れるべきでない話題なのだとトムさんは感じ取ったのか、何も聞いてこない。
店の利益になるなら、何も問い詰めはしないのだろう。
私は、ここにきて、今までの人生では感じられなかったほどに
人のありがたみというのを感じている。
もう、夏休みも半分ほどというある日の朝
所謂イングリッシュブレックファストを頬張りながら、流し読みしているのは、見慣れた動く写真の掲載された新聞紙。
最近はギルデロイ・ロックハートで持ち切りだ。
ついでに、お店に来るおば様方のお話も。
新聞に目を通しながら焼いたトマトに齧りつこうとしたときだった。
開けっ放しの小さな窓からホー介が飛び込んできた
運んできたのは学用品の案内が書かれたホグワーツからの手紙。
それと、ドラコからのいい加減家に来い
という催促の手紙。
1週間後の水曜日に、必要なものを買いに行くから
その時に迎えに行くと、一方的な手紙の内容に、反対しても聞く耳すらもたないんだろうな、とため息がこぼれた。