HPd

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夕食を食べてから、また急激な眠気に襲われて、いつの間にか眠ってしまっていた。

起きてみれば太陽は高くに昇いる。きっと時間は昼過ぎ前後。


電気が通らないこの部屋は以前の不自由ない部屋から一遍して、ほとんどのものが使えないガラクタになった。


お腹は空いていなくて
窓から見える森をただソファに座って眺めていた。


嫌な夢をみた。

子供が泣いている。よく知っている子供。
どうして僕を見捨てたの。
じっと見つめる涙目。

冷たくて、言葉を出そうにも
その目が怖くて、悲しくて、ヒュッと無様な音が鳴るだけ。


きっと、最後の時を一緒に居られなかったことを悔やむ自分自身が見せた事なのに


あの顔が、胸の奥に重たく残る。



きっと私の事なんて忘れているだろうな。

どうして、私がシリウスからハリーを守らなくちゃいけないの。

どうして、私ならシリウスを止められるなんて信じているの。

どうして、私が選ばれたの。

アズカバンってどんなところなの。

私が知る由もない場所で、一人で戦ってるの。


疑問が疑問を呼ぶ。

知らずの内に握りしめてしわくちゃになった制服のブラウスが視界に入った。


ああ、そうだ昨日着替えてからそのままだったっけ。

『まずい…』

制服を見て気づいた。

今の自分は本来の姿にいつも着ている部屋着。
これじゃあいくらなんでも寮に戻るのは難しい。


第一、戻れたとしても見たことのない人間が談話室を通って生徒の部屋に入るなんて、見られたら一貫の終わりじゃないか。


「も、申し訳ございません!」

ダメ元でキャシーに縮み薬のストックがないか聞いてみたのもも
案の定ないとの事だった。

まいったな…

「あの、ダンブルドア校長ならお持ちかもしれません」

なんで校長がそんなものを持っているのか、謎でしかないけれど
今頼れるのは、キャシーがだめなら校長しかいない。

「校長か!1度行ってみるよ」

「おや!こんなところに女の子がいるぞ相棒!」

「おったまげ!ココを知ってる生徒が他にもいたなんてな!」

似たような声が2つ
まさかと思って振り返ればそこには、フレッド・ウィーズリーとジョージ・ウィーズリーが立っている。



まさかこんなところで会うなんて…


「君ここで何してんの?」

「あ、ハリーのところに持っていくものをもらいに来たのかい?」

「お昼ご飯を食べそびれたの」


無難な返事を返してから引き止められるのを無視して校長室へと走った。



さすがに校長も薬を持ってはいなくて、セブルスにつくらせようと言って
ものの数時間で持ってきてくれた。

もちろん、姿は見られたくないから部屋の奥に隠れていたけど。


「こんなもの一体何にお使いになられるのです」

「ちぃとな。野暮用じゃよ」

ニコニコとした笑顔には、私でもわかるくらいに聞くでないぞとでも言うような雰囲気が滲み出ていた。

あ、この人怖いわ…

極力逆らわないようにしよう
と決めた。
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