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大広間には既に先に入ってきていた上級生たちが一年生の席を開けて座っていた。
いくつかの見たことのある顔と、天井の星空を見て、ここがあの私が何度も憧れた魔法の世界なんだと、シリウスがいる世界なんだと実感した。

「グリフィンドールに行くならば
勇気ある者が住まう寮
勇猛果敢な騎士道で
ほかとはちがうグリフィンドール

ハッフルパフに行くならば
君は正しく誠実で
忍耐強く真実で
苦労を苦労と思わない

古き賢きレイブンクロー
君に意欲があるならば
機知と学びの友人を
ここで必ず得るだろう

スリザリンではもしかして
君はまことの友を得る
どんな手段を使っても
目的を遂げる狡猾さ

かぶってごらん!恐れずに!
興奮せずに、お任せを!
君を私の手にゆだね
だって私は考える帽子!」

大広間内に突然響き渡ったのは、組み分け帽子の歌声だった。
帽子が歌い終わると、大広間は拍手喝采で賑わった。



「ABC順に名前が呼ばれたら、帽子をかぶって椅子に座り、組み分けを受けてください。」

マクゴナガル先生が生徒の名前が記載された長い羊皮紙をもって前に歩み出てきていた。


「アボット‣ハンナ!」
初めの女の子の名前が呼ばれ、彼女が椅子に腰を掛け、一瞬の沈黙を置いてから帽子は
「ハッフルパフ!」とさけんだ。
ハッフルパフ寮からは大きな歓声があがっていた。

私も、寮が決まった時にああやって喜んでもらえるのだろうか。
まあ、まずないだろうけれど、万が一スリザリン寮に決まったとした、その時はブーイングを覚悟したほうがいいかもしれない。


そんなことを考えていると、またどこかの寮から大きな歓声が上がり、男の子がテーブルのほうへ走るのが見えた。
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