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9月1日の夜。
新入生達が学校に入ってくるよりも一足先に上級生たちであろう、騒々しい声が扉の向こう側から小さく聞こえてきた。
それが合図だったように、コップに注がれた少しの縮み薬を飲み干した。
案の定、嘘でも美味しいとは言えない味に顔が険しくなった。
おととい買ってきた制服に袖を通して姿見の前に立つ。
長いローブがなければただの小学生が経っているようにしか見えないのに。
『よしっ!』
両手で拳を作って気合を入れてから
廊下に誰もいないのを確認してから部屋をそっと出て鍵をしめた。
革紐を通した鍵は首から下げてなくさないようにしている。
階段を上って、玄関ホールを見るとマクゴナガル先生が話していて、みんな大広間に入っていこうとしているところだった。
慌ててその集団に混じって適当な場所に並び、大広間に入った。