HPd
□21
1ページ/5ページ
できればここでは静かに暮らしたい。
特別目立つこともなく。
せめて、シリウスに関わるまでの2年間は。
さっさと買い物を終わらせるため、キャシーに言われた通り、縮み薬をコップに半分、ひと思いに飲み込んだ。
真緑色の液体はとても美味しいとは言えなかった。
すぐに体が縮み、おそらく11か12歳くらいの頃の自分が鏡の中にいた。
東洋人だけあって、周りから浮きそうなほどに幼い顔立ちをしている。
これ、大丈夫かな…?
不安に思いながらも、一生懸命働いて貯めたお金が入っている通帳を持って、キャシーと共にダイアゴン横丁へと移動した。
「どうもありがとうございました。ではまた5時頃に。」
キャシーと別れて、まずはグリンゴッツ銀行へ向かった。
驚くほど簡単に口座を開設し、鍵を受け取った。
自分で言うのもおかしいけれど、それなりに働いて貯めたお金だから、多いとは言えなくても、それなりの量にはなった。
でも、これじゃあ4年生までも持たないだろうな。
夏にはどこか働き口を見つけないと。
先の不安を思いながら、まずは制服の採寸へと向かった。