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「海の家と言います」
「お、おいしそう…」
浜に戻って、お腹が空いたというシリウスを連れて
海の家に来てみた。
お店の中に入って
目に飛び込むメニューの写真。
カレーにラーメン、オムライス、かき氷、ソフトクリーム…
定番なメニューばかりだけど
なぜかここではどれもが
おいしそうに見える。
それは、シリウスも同じようだった
「さあ、どれ食べる?」
はしゃいで、騒いで
余程お腹が減っていたのか
今にもよだれを垂らしそうなシリウスを
今度は私が引っ張って、テーブル席へ座った。
「んー…オムライスにしようかな」
『はいはーい、すいませーん』
…はいはーい?
と、私の日本語を繰り返して首を傾げてる
すぐに来た店員さんにメニューを注文すると
これもまた、すぐに注文の品が運ばれた。
シリウスは、私の言った日本語に首を傾げていたものの
すぐにオムライスを口に運んで顔をほころばせていた。
首傾げて悩むのは何度かあったけど
それでも、意味を聞こうとはしなかった。
おもしろいな。
運ばれてきたカレーを食べながら思った。