HPd

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「名前!!ありえないよ、何この暑さ!?何この湿気!!気持ち悪いくらいだよ!」


「ウゴッ!!シ、シリウス…だから昼からは、クーラーを入れろって…」

帰ってくるなり
また、いつかの如く
鳩尾に頭突きをくらわされた…


「ああ、そっか。」


暑い!と怒ってるのに
納得しても尚、私から離れないシリウスのしたいことが良く分からない。


暑いなら離れろよ…
とは思うものの、そこがまた何というか可愛くて
何も言わないで腕を回して
少し持ち上げてリビングに入る。



その間も、下ろしてよ!と騒ぐのに口ばっかりで
離れようとはしない。

何なのこの可愛いヤツ。




ムシムシと、本当に苛立ってしまうけど
シリウスとなら、引っ付いてても
暑さなんて気にもならないかもしれない。






「す、涼しいーー!やっぱり魔法みたいだぁああ!!」

今はもうすっかり普通となった
エアコンの、人を認識して風を送るアレ
アレにまで歓喜して騒いでいる。
 

『バカだ。』


その歓喜も1度や2度の話じゃない。



軽く10回は越えている。



私の呟いた声も
騒ぐ彼の耳には届いていないらしい。



ああ、あんなに騒いで…
今月中には必ず
下の部屋の人に怒られそうだな…。
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