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「それでは1番の方スタート!」
まずヒソカがゼビル島に降り立った。
「2番の方スタート!」
イルミが先に降りると、こちらを少し見てから森の中へと姿を消した。
「3番の方スタート!」
番号を呼ばれてすぐに船を降りた。
これから1週間、どうにか自分のプレートを守りきって、且つ80番のプレートを奪う。
1週間で強くなれるかなんてわからないけど。
とにかく、やれるだけのことはやろう。
いろんなことを考えながら、どんどん森の深くまで進む。
「名前♡」
『ヒソカ!』
少し離れた場所に私より数分早く船を降りたヒソカが立っていた。
「やあ♢待ってたんだよ」
『え、何?怖い』
本人は普通に笑ってるだけなんだろうけど
その笑顔が妙に怖い!
「80番が誰なのか、知りたくない?」
『知りたくない』
釣れないねえ
と、語尾にハートでも付いてそうなねちっこい話し方をする。
『その見返りは?』
「ちょっとね、僕に強力してほしいんだ♧」
『やだなあ、内容によるなあ』
「仮にも教えてもらう側なんだから、選りすぐりしないでよ♤」
ずっと私の数歩後ろを歩きながらさっきと同じようにねちっこく、さっき以上に楽しそうな声で話している。
『だって、自分の獲物なら探したいし』
「あの、ライフルを持った女だよ♡」
何で言ってるの?この人!
『何で言ったの?いらないって言ったじゃん!!』
「手伝ってくれなさそうなんだもん、名前♡」
腹立つ!!このキャピッて効果音がバッチリ似合う態度が、この顔だから余計に苛立たしい!!!
『…お礼は言わない。 んで、何したらいいのよ』
「おや、やってくれるんだね♡また、次までに考えておくよ」
そう言って、一瞬で目の前から姿を消した。
え、何で決めてないの?
意味わかんない。
ヒソカという人物は、本当に掴み所がなくて、得体の知れない暗い闇のようで、怖い。
ヒソカの態度に戸惑いながらも、立ち止まっておくわけにも行かなくて、行く宛もなく、ただ歩き始めた。