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町は思った以上に賑わっていた
『すごい…栄えてるね』
「一応観光地だしな」
ああ、そっか忘れてた
『え…キルア君はこんなモロに顔世間に晒しちゃっても大丈夫なの?』
「んー…まあいいんじゃないの?つーか、それはお前も一緒だろ」
一瞬キルアの言ってる言葉の意味が分からなくて戸惑った
そうか、旅団のことか!
『んー、大丈夫でしょ』
そんな会話をしながら両脇に立ち並ぶ色んなお店を覗き込んだ
やっぱり、人のお金っていうのは使いづらい
例えヒソカのお金だったとしても
きっと使うのは申し訳なく感じるかも知れない
だから、ゾル家のお金なんて尚更だ。
そう思ってとにかく安い物を…
と、いろんな安売りの服を漁っていると、服を引っ張られた
「何でそんな安っぽいのばっかみてんの?」
『え、だって人のお金だもん、それに私にはこういうのが妥当だよ』
そういうとあからさまに馬鹿じゃねえの
と言いたそうな顔をされてそのまま踵を返して店の奥へ行ってしまった
つまりは好きにしろってことかな…
早くも私達の交友関係に亀裂が…!!
あまりの悲しさで今にも布団に潜り込みたい気持ちを抱えながらも安売りの服漁りを再開した
「おーい、もう買ったから次靴とか見に行くか」
キルアの声に驚いて振り返ると両手いっぱいにどれもパンパンに膨らんだ袋を持ってる
『え、これって』
「ああ、これ以外はお前の。この袋は俺の。あ!お、親父とか兄貴たちには黙ってろよ!!ぜってえうるさいから!!!」
わざわざ買って来てくれたことだとか
焦りながら話すことだとか
なんだか色んな感情が混ざってつい笑ってしまうと
何笑ってんだ
と、怒られてしまった。
キルアと居ると楽しいな
その後、靴を見に行った
さすがに靴はそんなにもいらない
とは言ったものの
ブーツにヒールに、バッシュにパンプスに…
と、いろいろ買ってくれた
最後に下着も買わないといけないのか
と呟くと
「お、おおおお俺ここで居るからい、行ってこいよな!」
と顔を真っ赤にして言われた
うん、やっぱりキルアといると飽きない!