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ゾル家に来たその日の夜

出された夕飯にはわざわざ私のものだけ
毒を抜く為に別で作ってもらえた

これから私のご飯だけこうやって作ってもらうのは少し気が引けるが
執事さんたちには気にする様子もなく
お客様なのですから
と笑顔で返されてしまった。





今日の朝ごはんもきっと同じように別でつくってくれたんだろう。


「名前は何日頃までここに居れるんだ?」

呼び捨てで呼んでくださいと頭を下げるまでなかなか
"さん"を外してくれなかったシルバに言われた

『んー、どうでしょう…ハンター試験を受けようと思ってるので』
「なら、遅くても年明け前だな」

ここからあの1次試験会場まではそんなにも距離があるのか


あ、違う
会場まで自力で行かなきゃいけないんだった。


会場のお店、合言葉、試験内容そんなのは知ってても
大本の会場の場所までは覚えてない…

『自力で会場まで行くんですよね、下調べとかしたいんですが
それで見つかりますか?』

「さあ…どうだろうな、やり方次第なんだろうが
なかなか難しいとは思うぞ」

う…
キルアはイルミが試験を受けてる事知らなかったみたいだし
ここで聞くのはまずいと思ってシルバさんに聞いてみたものの
案の定、難しいとの返事。


…あ、そうか!こういう時こそシャルに聞くべきなのか!
確かシャルはライセンスも持ってたし。
なんとか住所も店の名前も調べてくれそう





「名前、俺今日はすることがあってちょっと家出れないから代わりにキルアと買い物に行って来てくれない」

『「え!」』
まさかのキルアと同じ反応でおまけに被ってしまった

『で、でもキルア…君、は嫌じゃ…』
「べつにいーよ」

俺今日暇だし
と付け加えて、快く了承してくれた
神様仏様イルミ様だ



そうと決まればもう嬉しくて仕方ない

朝ご飯を食べ終わるとすぐに出掛ける用意をした
と、言っても鞄に財布とケータイ、シャルが作ってくれたモバイルを入れたら終わりだけど


あ、そうだついでだし
シャルにメールしておこう!

電話帳に団員の番号、アドレスが全部入っているのは昨日の非行船内で確認済みだった

調子に乗ってハンター文字を全部覚えた当時の自分に感謝する日がくるとは思ってなかった


無事にゾル家に着いたこと
待遇なんて自分がどこかの姫にでもなったんじゃないかと錯覚するくらいに良くしてくれていること
長くなりすぎるのも悪いから
本題の会場の住所だけでも調べることは出来ないか聞いてみた



するとすぐに返事が返ってきた
私の話全てに返事をくれていた
住所ならすぐに見つかると思うから
少しだけ待ってて
と書かれていて、お礼の返事を書いていると扉がノックされた


「おーい、用意できたー?」

『うん!すぐ行く』

キルアの声に慌ててメールを返して部屋を出た



せっかくの、キルアと仲良くなれそうなチャンスなんだし
せっかくだから、友だちになりたいな
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