HPd

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ああそういえば、海に行こうって言ってたのに
水着買ってないなー…

また、近場で買いに行こうかな。



この間もシリウスに
バイクに乗せろ
って言われたところだし。



シリウスが来てからは本当に毎日が充実している。


子どもは苦手だったのに。

理由なんて
うるさい、失礼、単純、バカ
このくらいしかないし
自分でも、子供にこの逆なものを求めるのは
間違ってるとは思うんだけど…。

それでも、この条件が揃ってる子どもは
本当に受け入れられなかった。




私には親はいない。
その親代わりのグループホームの先生だって、言わば他人なわけで
皆が先生や他の子たちと打ち解けて外で走り回って笑いあってるのを

なかなか打ち解けられない私は
部屋の窓から眺めてるでだけしかできなかった。

自分はずっとそれが羨ましかった。

その感情を知ってたけど
認めたくなかった。

どこで覚えたのか
良い子でいなきゃいけない
その考えが幼いながら、骨の髄にまで植えつけられていた


外で走り回る子達は、私のその考えには
全くもって真逆の存在だった。


『子供は元気が1番だよ、名前ちゃんも一緒に遊ぼうよ?』

先生から伸ばされた手をどれだけ握りたかったことか



だけど、その真逆の子供が
元気
という一言で許されるのが
子供ながらに、許せなかった。


今思うと、本当に子供らしくない子供だったんだな。

笑顔なんてのは
記憶にない両親との生活と一緒にどこかに置いてきたんだろう
それほどに笑わなかった。
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