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うだるように暑い夏がやってきた。
7月。
その7月も中旬に差し掛かりつつある。
去年もこんなに暑かったっけ…
と、毎年恒例の自問自答を繰り返す。
はっきり言って
暑い暑いと言いながらも
大抵はそんなこと秋には忘れるんだ。
だから、今だけの我慢。
この、温暖湿潤気候特有なのか、それとも、日本特有なのか知らないけど
ムワッとした多量の湿気。
まとわりつくような湿気が汗を誘う。
バイクから降りて、買い物の荷物を両手に抱える
エレベーターの扉が開くと一気に
温められた空気が私を襲う。
全身を伝う汗は滝のように
止まることを知らない。
エレベーターから出ると、冷たい空気が出迎えてくれるが
それも、一瞬の出来事。
またすぐに、あの忌まわしい空気へと成り変わってしまう。
シリウスに昼からはできる限りエアコンをつけろ
と言っている。
きっと家は涼しいんだろうな。
リビングの扉を開けば
ひんやりとした、冷たい空気とシリウスが出迎えてくれるはず。
それだけでも
今までとは比べものにならないほどに
足は軽やかに前へ前へと進んだ。